専門家サービスにおける生成AIレポート2025   ~戦略的活用の次のステップに向けて~

トムソン・ロイター・インスティテュートは、生成AIレポート2025年版を発表しました。ChatGPTの公開から2年以上が経ち、生成人工知能(生成AI)はもはや公知のものになりました。MicrosoftはOffice 365スイートのあらゆる面にCopilotを統合し、Googleは殆どの検索のトップでGeminiの結果を提供しています。さらに、AmazonからMetaまでのテックジャイアンツは、自社のソリューション一式に生成AIを組み込む方法を模索しています。

こうした特殊な生成AIツールは、専門家のワークフローにますます組み込まれるようになってきており、調査回答者の大多数は、今後5年以内にこれらが日常的なワークフローの中心になると予想しています。全般的に、殆どの専門家は生成AIの活用に肯定的な見方を示しており、生成AIが重要な仕事に使用可能であり使用すべきであると考え、多くの人々が自らの経験から、これまで以上に生成AIの未来に興味と期待を抱いています。

生成AIに対する認識

2024年の調査では、「ためらいがある」と答えた回答者の割合が他の認識を上回っていましたが、今回は、より多くの専門家たちが自らの業界における生成AIの未来に「関心がある」と「期待している」と答えています。多くの人が既に、生成AIが日常業務で使用できるだけでなく、積極的に業務の中心となるべき未来を思い描いています。

これを念頭に置くと、生成AIが単に組織、企業部門、事務所長からのトップダウン型の指示に委ねないことは明らかです。変化に抵抗があると思われがちな業界においても、生成AIは多くの組織の専門家たちに受け入れられています。実際に、職場における生成AIの未来をどのように認識しているかという質問に対して、回答者の半数以上(55%)がこの技術に「関心がある」または「期待している」と答えています。これら2つの回答を合わせた回答者数の割合は、2024年に比べて11ポイント増加しました。

主要調査結果

着実な利用の増加 — 回答者の大部分(41%)がChatGPT等、一般公開されているツールを個人的に使用しており、17%が業界固有の生成AIツールを個人的に使用していると答えています。一方、組織全体のレベルでは、所属する組織が生成AIを積極的に使用していると答えた回答者の割合は2024年の12%から2025年の22%へと、過去1年間でほぼ倍増しました。
ワークフローの中心となる日も間近 — 生成AIの導入はこれまでのところ一定のペースで進んでいますが、多くの回答者はその使用が急速に増加すると予想しています。生成AIが今の組織のワークフローで中心であると答えたのはわずか13%でしたが、さらに29%が来年中にはそうなると考えています。
引き続き前向きな意見が多数 — 回答者の過半数(55%)が、自らの仕事における生成AIに対する認識を「興味がある」または「期待している」と述べています。また、60%以上が、生成AIを自らの業界の業務で積極的に使用すべきであると回答しており、89%が自らの業務で生成AIのユースケースを想像できると考えています。
ポリシーとトレーニングの必要性 — 生成AIの一般利用は増加しましたが、それが生成AIの使用に関連するガードレール拡大につながっている訳ではありません。回答者の過半数(52%)は、独立したまたより大きな技術ポリシーの一部であれ、自らの組織に職場の生成AIに関するものはないと回答しています。一方で、3分の2近く(64%)が職場で生成AIのトレーニングを受けたことがないと回答しました。

生成AIの導入以来、専門サービスの組織は明らかに最初の一歩を踏み出しました。つまり、生成AIの実態を理解しました。そして今、これらの組織は、生成AIがなぜ重要なのかを判断する必要があります。生成AIは組織全体に広く普及しており、様々な活用方法やユースケースがあります。しかし、生成AIツールから真の価値を引き出すには、生成AIに関する計画が組織のより大きな戦略目標と結びついている必要があります。多くの専門家たちは既に、生成AIが自分たちの生活のどこに適合するかを十分に理解していますが、彼らが所属する組織はそれがより広範囲な今後の組織計画で、どこに適合するかを未だ十分理解していない状況です。

多くの組織が今後取り組んでいかねばならないのは、生成AIの最先端領域に次の一歩を踏み出すことです。こちら生成AIレポート2025年版を、是非ご一読下さい。

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