オペレーショナル・エクセレンス(優位性をもたらす卓越した業務遂行能力)は、業務をより迅速に、よりスマートに、より効率的に遂行するための、統制のとれたアプローチです。オペレーショナル・エクセレンスに意欲的な法務責任者は、常にリーガルオペレーションチームの業務と遂行方法を分解し、再設計できるように柔軟に対応しています。このような変革には法務責任者の全面的な支持が不可欠です。
シェルのグローバル法務部門のリーダーであるドニー・チン氏のIn Practiceインタビューをチェックして、同社の法務部門によるリーガルオペレーションの活用事例をご覧ください
リーガルオペレーション部門がオペレーショナル・エクセレンスを実現する上で、法務責任者に求められる6つの要素をご紹介します。
支援
適応に向けた取り組みと抜本的な変化を目指す取り組みの両方について、一貫した積極的な支援を目に見える形で行うこと。効果的なアプローチとしては、法務部門におけるリーガルオペレーションの重要性を認識させるため、リーガルオペレーション責任者を法務部門の幹部に加え、最高法務責任者に直接報告させることが考えられます。
文化
チームが「目標を高く持つ」ことを奨励する文化を定着させることで、大胆で創造的な思考を促進すること。イノベーションには失敗が付きものであることを伝えると同時に、達成目標に紐づいた成果に報いること。
人材モデル
プロジェクトマネージャー、プライシングの専門家、設計者、技術者、デジタルデザインの専門家、データエンジニア、データサイエンティストなどに代表される、多くの専門分野での人材モデルを採用し、さまざまな考え方やスキルを持つ専門家のチームを作ること。チームが継続的に革新し、改善するために必要な新たなスキルや統制を積極的に特定します。
チームの組み合わせ
同じ課題に対して、多様なアプローチ方法を持つ、さまざまなチームを集めること。個人と同様、さまざまなグループには専門性とその専門性によるバイアス(偏向)があります。ライバルチームとの健全な意見交換によるアプローチにより、より広い視野で物事を捉え、さまざまな水準で、創造的に問題を解決することができます。例えば、リーガルオペレーションチームと財務や調達、IT などの事業部門との組み合わせです。また、弁護士やパラリーガルのチームとリーガルオペレーションチームとの組み合わせもあります。
標準化と自動化
現在、法務の支援を拡大する最も迅速かつ費用対効果の高い方法である、一般的な業務(大量、低リスク、低価値の業務など)の標準化や自動化を採用すること。自動化は、弁護士が自由に、より価値の高い業務に特化し、法務部門をさらにDigital-Ready(デジタル技術を人類が有効かつ安全に利用できる状態)化するための戦略的手段です。
重要業績評価指標(KPI)
意思決定や成果管理に関する分析を活用すること。チームと協力して KPI を設定または改訂し、事業の成長目標(例えば、契約書確認プロセスの加速化)に紐づく部門成果を確認します。同様に、外部の弁護士の業績を管理、確認し、基準に従って評価します。KPI は、他の指標と組み合わせることで、あらゆる法務サービスプロバイダーから得た価値を明確にします。