法務の現場: 企業理念と行動指針を具現化する

法務部門は、どのようにして企業理念と行動指針を職場で推進し、企業文化の構築に対する従業員の関心を高めることができるでしょうか。

キーワードはコミュニーケーション

企業の社是や行動指針は、組織の「なぜ」と「どのように」を表現するための言葉です。言葉としての役割は、せいぜい組織の存在理由を説明する程度であり、最悪の場合、壁やポスター、年次報告書を飾る決まり文句となり、形骸化してしまいます。社是や指針を、単なる言葉や形骸化したスローガンから、実際に行動につなげ、手に取るような体験に変えるためには、意図的かつ厳格に、理念と指針を従業員の日常生活の一部として位置づける取り組みや実践的な行動、習慣を確立する必要があります。このような取り組みを成功させるには、コミュニケーションが欠かせません。

なぜ、コミュニケーションが生き生きとした使命と指針を確立し、強化し、育成する上でこれほど重要なのでしょうか。それは、コミュニケーションが、組織の存在理由や価値観を伝える重要な手段だからです。実際に、コロナ禍のリモートワークを通じて、使命と指針を維持するためには、対面でのコミュニケーションが重要な役割を果たすことが明らかになりました。

メッセンジャーとなりうる人材

当然、企業理念と指針を伝えるのは、会社のトップから始まりますが、その役割は社長や取締役、その他の伝統的な管理職の役割に留まるべきではありません。企業は、人事部門、コミュニケーション部門、デザイン部門の各部署の協力を得て、会社の使命と指針を実現するために社員を惹きつける方法を考える必要があります。

同様に、上記の部署の、第一線で活躍する管理職、課長職、または係長や主任などが、企業理念と指針の応援団長やチアリーダーとなるような研修プログラムを展開すべきです。

具現化への道のり

会社の理念と指針を実現する方法は無数にあります。もちろん、会社が提供する商品やサービスをどのように生産するかは、企業の使命や指針をよく表しています。また、会社の方針、福利厚生、その他のプログラムも同様です。しかし、使命と指針が生きたものになるには、以下のようなことに取り組むとよいでしょう。

  • タウンホール、フォーラム、座談会 – これらの集まり(対面またはオンラインで開催)は、規模の大小を問わず、CEOから取締役、多様性推進役員や包括推進リーダー、製品開発責任者などの部門長、コミュニティアウトリーチ責任者など特別プロジェクトのリーダーまで、さまざまなリーダーが主導することができます。
  • 祝賀会 – 組織全体または組織内のグループが一堂に会し、節目や記念日、その他の成果を祝う会です(これも対面またはオンラインで可)。使命や指針を支える成果を、具体的な形で祝います。
  • レクリエーション – リトリートを開催することで、従業員が個人的な絆を深め、創造的で遊び心のある活動を行い、重要な仕事上の課題や機会について、リラックスした活力ある環境で話し合うことができます。
  • コーヒーミーティング、ハッピーアワー、ブッククラブ、瞑想と感謝のセッション – これらの非公式な集まりは、コミュニティとつながりの感覚を通して組織文化を活性化させる方法で、従業員の経験を高めるのに役立ちます。
  • ブログ、ポッドキャスト、ビデオ – これらのコミュニケーションチャネルは、会社のニュースを共有するだけでなく、チームや個人の貢献や成功事例を創造的かつ痛快に紹介する機会を提供します。
  • フィードバック・ツール – 従業員アンケート、投票、その他のフィードバック・ツールは、従業員が会社の使命や文化(指針)をどのように感じているかを直接共有する手段となります。
  • 内部通報ホットライン – 企業の使命と方針は、従業員が会社の価値観と矛盾する行動を通報する安全な方法を提供することによって守られます。通報者が守られる内部通報ホットラインや同様の報告手段は、組織の全員がこれらの価値の保護者であることを示す強いシグナルとなります。

コミュニケーションは組織にとって、酸素のようになくてはならないものです。企業の使命と指針を具現化するために社内のコミュニケーションを活用する企業は、日々の行動や交流を通じて理念と指針を自らを示す、意欲的な従業員からの多くのメリットを享受することができるでしょう。


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