大企業のみならず、日本企業が海外展開を進めることは当たり前の世の中になりました。さらに、近年は業績に占める海外市場の売上高割合も上昇傾向にあり、今後も海外展開は日本企業にとって最重要事項になり続けると見通されます。
そうした海外市場において優位性を確立するべく、さらなる国際競争力の強化を目指すのは当然のこと。今日、経営陣を中心に、社内の人材育成や現地の有力なパートナーとのコネクション構築、必要に応じた企業買収等が積極的に進められているのは周知の通りです。
しかし一方で、拡大した海外拠点での実務やさらなる市場開拓を進める上で“守り”の要となる法務・コンプライアンス部門をはじめとするコーポレート部門の体制強化や組織最適化はどうでしょうか? KPMGとトムソン・ロイターが共同作成・発表した「法務・コンプライアンスリスクサーベイ2022」の結果によると、この法務業務のあり方に不安を感じている、との意見は少なくないようです。
そうだとするならば、まだ他社が“手薄”な状態である法務・コンプライアンス部門の適正化を図ることは、国際競争力や安定的なビジネスの遂行力強化の“分かれ目”になるとの見方もできるのかもしれません。
では、海外展開を続ける日本企業に求められる企業法務の組織作りにおいて欠かせない取り組みや対応、根底に据えるべきマインドとはどのようなものが考えられるのか?
本レポートでは、このテーマについて先進企業の事例を交えてお伝えします。