日本は共通のプラットフォーム、シナリオ分析を用いてグリーンファイナンスを推進

ロイター 木原麗花によるサステイナブルファイナンスに関する記事をご紹介します。

記者紹介:ロイター記者。 日本銀行を中心に日本の金融やマクロ経済政策に関して25年間にわたり取材し、数々の受賞歴があるジャーナリスト。

金融庁、サステイナブルファイナンス推進へ

日本がサステナブルファイナンス推進に向けた取り組みを強化する。政府の新たな規制ガイドラインに従い、国内グリーンボンド(環境債)市場を整備し、気候リスクに対する金融機関のレジリエンス(強靭性)を分析するなどの取り組みを進める。

金融庁は、日本銀行と連携し、国内3メガバンクと大手損保3グループを対象に気候変動リスクに対するレジリエンスを測定するためのシナリオ分析を実施する。金融庁が公表した2021年度の規制指針によると、この分析は気候リスクに関する共通のシナリオに基づき、来年6月まで試験的に実施される。

また、この指針に基づき、グリーンボンドを認証するための枠組みを構築するとともに、東京証券取引所を運営する日本取引所グループ(JPX)と協働し、発行体や投資家がグリーンボンドの情報を得ることのできる共通のプラットフォームを構築する。

金融庁は、「市場参加者が脱炭素化に貢献する投資判断を円滑に、正確に行えるような環境の整備が重要」と指摘している。

日本銀行の役割

今回の動きは、気候変動対策のための資金供給を強化するとした日本銀行の6月の決定に続くもので、日銀の若田部昌澄副副総裁は、「日銀もその使命の範囲内で気候変動対策への役割を果たすことができる」と述べた。また、「税制上の優遇措置、補助金、規則といったところに関しては、政府あるいは規制監督官庁が行うという分業関係になる」と指摘し、気候リスクによる経済への広範な影響に対応するためには政策立案当局間の「役割分担」が不可欠であると付け加えた。

グリーンボンド市場の夜明けとなるか

日本は世界で最も自然災害の多い国の一つで、水害などで毎年多くの犠牲者を出すなど、気候変動から大きな影響を受けている。昨年、当時の菅義偉首相は日本政府として初めて、2050年までにカーボンニュートラルを実現するという目標を掲げ、世界的に気候変動への注目が高まるなかで諸外国とより足並みを揃えた。日本のグリーンボンド市場は成長しているが、まだ規模が小さく、世界のグリーンボンド市場3,000億ドルに対して7,750億円(70億ドル)にとどまっている。

(1ドル=110.1000円換算)


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