FTA

機を逃さずにRCEPを活用して、国際貿易を最適化

世界各地への商品の輸出に携わっていれば、統一システム(HS)コードの効力についてはよくご存知でしょう。HSコードは、商品の特定、監視、課税、管理を目的とした国際的に認められた国際貿易の分類ツールです。

HSコードは、取引国間の商品協定によっては、多額の関税をもたらすことがあり、陸揚げ費用や採算性に大きな影響が生じます。こうした関税を最低限に抑え、どの関税が自社の商品に適用されるかを管理するために、日本で「経済連携協定(EPA)」としても知られる自由貿易協定(FTA)を活用しませんか。

RCEPで日本の国際貿易の未来はどう変わるか

日本へのTシャツの輸入を例に見てみましょう。FTAを活用しない場合、輸入者は海外のTシャツを日本に輸入するのに、10.90%の基本税率で支払わなければなりません。

一方、例えば日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定を活用すると、ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国には特恵関税待遇が適用されます。この場合、Tシャツの例で話を続けると、輸入者はどのASEAN加盟国から日本にTシャツを輸出しても、支払う関税率は0%になります。

最近、中国が東アジアの地域的な包括的経済連携協定(RCEP)を批准したことで、状況は様変わりしました。発効すれば世界最大規模となるこのFTAのもとでは、世界の国内総生産(GDP)の実に約3割を占めるアジア太平洋地域の15カ国の加盟国間で、HSコードに基づく関税を節約できるなど、多くの機会に溢れています。日本にとっては、中国や韓国との間で初めて関税対策ができる関係を結ぶことになり、さまざまな可能性を創出できるでしょう。

日本の視点で見ると、この協定は歴史的なものです。こうしたコスト削減効果を多くの日本企業が享受できるため、貿易活動の成長だけでなく、その円滑化も期待できます。製造と供給に関して、これから中国や韓国とのシームレスな関係を期待できるでしょう。

森下馨、トムソン・ロイター、ONESOURCE Global Trade プロポジションリード

コスト削減以上のメリットをもたらすFTA戦略が必要な理由

しかしこうした関税削減の機会を活用するには、企業にも戦略性が求められます。そして、トムソン・ロイターのONESOURCE Global Trade Managementソリューションの目玉ツールであるAnalyzerを使用すると、該当するHSコードや適用可能なFTAに基づき、特定の相手国との商品の輸出入に要する比較費用を表示できます。ONESOURCE Global Trade Managementソリューションは、このすべてを瞬時に処理できるのです。

しかし、RCEPにより期待されるメリットは、主要貿易相手国との輸出関係から得られるコスト削減効果に限られません。 RCEPは今後、自己証明制度への道を開いていくでしょう。しかし、その管理は複雑になることが予想されるため、企業は世界貿易の道案内役として、特にこのFTAの遵守要件を満たすために、可能な限り技術に頼らざるを得なくなっているのです。

手作業で処理していたのでは多くのミスが発生し、それが法令違反やコンプライアンス違反につながります。これがひいては多額の罰金や違約金を招き、貿易特権や自社の大切なブランドを毀損することにもなりかねません。

森下馨、トムソン・ロイター、ONESOURCE Global Trade プロポジションリード

「国際貿易管理システムの自動化は、こうした違反リスクを低減させるソリューションの一つなのです。」

日本はすでに第三者証明制度を導入しており、企業はFTAを利用する都度、日本商工会議所に申請すればこの制度を活用できます。しかし、日本政府は認定輸出者自己証明制度のもとで輸出者を認定することもでき、今後10年のうちに、自己証明制度はRCEPでも活用できるようになります。すなわち、3段階で証明を管理する可能性があり、同時に企業にとってはコンプライアンス義務の悪夢が生じることになるのです。

幸い、全ての段階で証明に必要な書類を作成し、新制度が導入されても確実に法令を遵守できるよう、ONESOURCEのFTA管理プラットフォームの準備は万端です。

自社に最適なFTAを見極める技術とコンテンツ

トムソン・ロイターの目標は、必要不可欠なコンテンツと技術をご提供し国際貿易やサプライチェーン担当者のパワーアップを図り、最高の成果を得られるようお手伝いすることです。今すぐGlobal Tradeソリューションのコンサルタントにご連絡ください。

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