企業内弁護士の懸念事項トップ3:コスト削減のプレッシャー、業務量の増加、ESGへの対応 

最新の「法務部門オペレーション(LDO)」レポートによると、企業の法務部門は、ESGの優先順位など新たな懸念が生じる一方で、コスト管理などの旧来の課題に引き続き直面していることが明らかになりました。 

トムソン・ロイターとリーガルバリュー・ネットワークが発表した今年の「法務部門オペレーション(LDO)調査」によると、企業の法務部は、これまでと同様、コスト管理、業務量の増加、人員配置などのプレッシャーに直面していますが、テクノロジーの導入や環境・社会・ガバナンス(ESG)の優先順位などの新しい課題も、多くの部門長の悩みの種であることが明らかになりました。 


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社外弁護士への依頼と社内法務業務のバランス 

大多数の企業の法務部門にとって依然として最大の予算項目となっている社外弁護士への支出を抑えることが、法律部門にとって最優先事項であることは当然と言えるでしょう。また、経済環境の変化や法律業務の増加により、2022年以降、法務部門はより多くの業務を社内で処理できるように準備を進めています。 

法務部門オペレーション(LDO)調査の回答者のおよそ半数は、所属する部門に弁護士を増員していると回答しています。しかし、案件量の増加や人員の増加は、多くの部署にとって必ずしも予算の増加に結びついておらず、法務オペレーション専任の担当者を増員していると回答した部署は比較的少数でした。 

コスト増加の背景と対策

また、経済の動向による物価上昇を反映し、法律事務所の請求額(コスト)が上がりつづけていることも法務部門の財務状況を圧迫している要因です。このような背景によって、外部法律事務所への支払額は、必ずしも一律ではないものの、増加傾向にあります。2022年の費用は前年と比較すると、微増、あるいは場合によってはわずかに減少していますが、2020年と比較すると、2022年は全体的に上昇しており、場合によってはかなり大幅に上昇しています。 

法務部門が社外弁護士のコストを管理する中で、代替的な料金体系(代替料金の取り決めや混合料金など)はあまり利用されていません。そして、大多数の法務部門が、自社の法務コストの管理能力を「中程度」と評価しています。これは、コスト管理の主要手段として、一般的な請求書のガイドラインや割引などに終始していることを意味しています。 

実際、今回の調査では、より高度なコスト管理策やその効果を追跡するための指標は、一部の企業の法務部門を除いて、まだ比較的十分に活用されていないことが示されています。 

テクノロジーと人材配置 

今日の法律部門に価値をもたらすと考えられている最も一般的なテクノロジーは、電子請求、電子署名、オンライン法務調査で、多数の法務部門がこれらのソリューションを導入しているにもかかわらず、十分に活用されていないと感じていることも事実です。このような懸念を反映してか、法務担当者は、プロセスやテクノロジーの改善に関する社内の変化のペースは、ほとんどの場合、よくて中程度、悪ければ遅いか存在しないと回答しています。 

同様に、人材や職場環境などの経営リソースや予算の配分に関しても、同じようなジレンマが感じられます。回答者の30%が自分の部署の予算とリソース配分に満足していると答えた一方で、28%が不満または非常に不満であると回答しています。 

これは、社内案件が増え続ける一方で、予算や法務担当者の配分・配置がほぼ横ばいであることを表しているのかもしれません。今回の調査では、企業法務部の平均的な法務部員数は3.8人(FTE)と報告されています。当然ながら部門の規模によって必要とされる人員は異なりますが、調査回答者が提供した追加的なコメントから、多くの企業にとって法務業務に特化したスタッフは比較的まれな存在であることがうかがえます。 

ESGの重要性の高まり 

世界的にESGの重要性が高まり、特に多様性、公平性、包括性(DEI)の懸念が市場で話題になっているにもかかわらず、回答企業の大半は、まだ多様性に対して具体的な取り組みを始めていません。そのような取り組みを行っていると回答した企業でも、まだ比較的新しい事業であり、2年未満であることが多いようです。また、収集した多様性データの母数が小さく、収集したデータをどのように活用すればよいか分からないという企業が多いようです。 

しかし、ESGやDEIへの注目が高まるにつれ、こうした事案に関連するデータを収集し、有意義に活用する必要性はますます高まっていくでしょう。このような取り組みをすでに始めている企業、特に以前から取り組んでいる一部の企業は、優位に立つことができるでしょう。 

多様性に関する取り組みを正しい方向へと導くためにデータをどのように活用するか、あるいは社外法律事務所の多様性促進という観点から望ましい目標や成果をどのように達成するかについては、多くの課題が残されています。また同様に、企業がESGの目標を達成するために、外部の法律事務所をどのように活用するかも模索する必要があります。 


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