法務部の使命と戦略 :エドワーズ・ライフサイエンス社 ゼネラルカウンセル インタビュー

エドワーズ・ライフサイエンス社のコーポレート・バイスプレジデント兼ゼネラルカウンセルであるアーノルド・ピンクストン氏に、企業の使命と戦略に法務部門がどのように貢献できるかを伺いました。 

エドワーズ・ライフサイエンス社の法務部門の組織はどのような構成ですか? 

ピンクストン氏: グローバルなヘルスケア企業が抱える広範な法的課題やニーズに対応するため、法務部門はマトリクス状に組織されています。各弁護士は、特許、規制、人事、商業などの分野別に配置され、様々なビジネスユニットや機能をサポートするために結成された複数の法務チームに属しています。 

また、法務部門のシニアマネージャーをはじめとする弁護士以外の専門職も、当社のチームにとって重要な存在です。熟練の外部の弁護士やサービスプロバイダーが社内のチームをサポートしています。当社の法務プロフェッショナルは全員、エドワーズに関連する法的問題に精通し、それに対応できるようトレーニングされています。 

法務部門の最重要目標や注力分野は何ですか? 

ピンクストン氏:当社の使命は、心血管疾患と闘う患者さんに革新的なソリューションを提供することです。これは、当社の戦略や、その戦略を実行するためのツールに詳細に明示されています。グローバルチームを対象とした最近の調査では、エドワーズの社員の90%が、日々の仕事の中で意思決定をする際に患者さんのことを考えると答えています。私たち社員は、患者さんの命を救い、病状を改善することができれば、当社と地域社会、従業員、株主などのすべてのステークホルダーの幸福につながると考えています。 

私はエグゼクティブ・リーダーシップ・チームの一員として、理事会に参加しています。理事会は、企業目的に沿った企業戦略を構築する役割を担っています。毎年、長期的な価値を提供し、患者さんに革新的なソリューションを提供するという当社の使命を果たすために、戦略を実施し、必要に応じて修正することを責務としています。 

法務担当責任者として私が重視しているのは、法務部門のメンバーが当社の戦略と密接に連携し、目標を達成するために必要なものがすべて揃っているかを確認することです。当社のすべての部門がこの戦略に従事することが重要ですが、法律部門は、ライフサイエンス業界の指針となる法律や規制を専門的に理解することで、当社のミッションをサポートするというユニークな任務を担っています。 

エドワーズ・ライフサイエンス社
アーノルド・ピンクストン氏 

 私たちの法務部門は、非常に多様な法的課題に対応しています。中でも医療関連の規制やコンプライアンス、知的財産、コーポレートガバナンスに関する貢献が多いですね。 

法律部門は「Noばかり言う部門」という印象を持たれがちですが、確実に会社の賠償責任を回避するためにどのように支援すれば良いでしょうか。

ピンクストン氏:幸いなことに、当社のビジネスリーダーと法務チームは密接に連携しています。私たちは皆、患者さんにサービスを提供すると同時に、適用される法律と当社の倫理的要件を遵守し、実践することを約束しています。さらに、当社の社内弁護士は自分が担当するビジネスに精通しているので、ビジネスチームと協力して、私たちの戦略と使命に最も適した革新的な法的解決策を見つけることができるのです。 

もし弁護士でないとしたら、何になりたいですか? 

ピンクストン氏:もし私に才能があったら、プロゴルファーやカリスマシェフになりたいですね。 

これまでに受けた最良のキャリアアドバイスは何ですか? 

ピンクストン氏:自分に適さない仕事やタスクを引き受けてはいけません。貢献することを念頭に置いて、新しいスキルを学び、今持っている技量を磨き続けることです。 

将来のジェネラルカウンセルに向けて、どのようなアドバイスがありますか? 

ピンクストン氏:自分の会社の戦略を知ることです。成功するためには、それに貢献しなければなりませんし、充実感を得るためには、それを信じなければなりません。 


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