トムソン・ロイターのPractical Law The Journal : Transactions & Business (PLJ) は、三菱自動車北米(Mitsubishi Motors North America, Inc.)のバイスプレジデント兼ゼネラルカウンセルおよびセクレタリーのキャサリン・ナイト氏に法務部門の目標や外部の法律事務所に対して良い印象を感じる場面についてお話を伺いました。
TR:法務部門の構成についてお聞かせください。
ナイト氏:それほど厳密にはしていません。私たちは小さなチームで非常に幅広い問題を扱っているので、厳格な階層やサイロ化した分野には固執しません。それぞれに管轄はありますが、それはベン図のように重なっていて、必要なときに必要な場所へ全員が参加するようになっています。
TR :法務部門の主な目標や重点分野は何ですか?
ナイト氏:私たちは新しい法務部門として、既存の法務部門と異なることにもチャレンジし、チームとして、そして会社としてどのように課題を改善できるかを考えています。また、個々のお客様が本当に必要としているもの、ビジネスが本当に必要としているもの、お客様の戦略目標の実現を支援するために、新しく、かつ多様な価値を見極め、積極的に変化に対応することに重点を置いています。
TR :法務部門は、どのようにして「ノーばかり言うオフィス」と見なされることを避けながら、クライアントをサポートしているのでしょうか?
ナイト氏:それは簡単です。イエスと言うことです。それは冗談ですが、実際には、クライアントがより適切にリスクを分析できるように、私たちは頻繁に早い段階からクライアントと協働しています。クライアントの目標を明確に理解し、最初の計画が法的なリスク許容度を超えた場合には、クライアントと協力して代替計画を実行します。私たちは、十分な情報に基づいたリスク/報酬分析を通じてクライアントの意思決定を導くことを重視しています。そのため私たちのビジネス上の判断をクライアントに押し付けることはしません。
三菱自動車北米のキャサリン・ナイト氏
TR :法律事務所に対して良い印象を感じる3つのこととは?
ナイト氏:1)時間をかけて、自分たちのことを本当に理解しようとすること。これには法務とは関係のないビジネス戦略、問題点、一般的なリスク許容度なども含まれます。そして、それを利用して法的なアドバイスを調整することです。私は、私たちのビジネスを総合的に考えていることを示してくれる社外弁護士と仕事をしたいと考えています。
2)社内クライアントとの連携と同様に法務部門との連携を積極的に行うこと。私たちのチームに入るということは、クライアントニーズの予測をサポートし、また法務部門自体の目標に貢献することを意味します。これには、興味のありそうな記事を送ってくれることから、プロジェクトを定額でサポートしてくれることまで、どんなことも含まれます。
3)私は本物の人間と笑ったり共感したりして話をすることを楽しんでいます。その人とコーヒーを飲んだり、ビールを飲んだりしたいか。そうしたいと思えば、その人に電話をする可能性は高いです。
TR :弁護士でなければ、何になっていたと思いますか?
ナイト氏:弁護士でなければ、地質学者か地震学者になってイエローストーン国立公園で働きたいと思っていました。イエローストーンの地質に非常に興味がありますので。
TR :今までで一番のキャリアアドバイスは何ですか?
ナイト氏:社内弁護士として新人の頃、私が最も尊敬する人から「キャサリンほどに法律を愛している人は他に見たことがない」と言われたことがあります。 もちろんこれは褒め言葉ではありませんでした。その人が言いたかったのは、私がそのテーマについて深い知識を持っていたとしても、クライアントはそれについて私が雄弁に語るのを聞きたいわけではないということでした。クライアントが求めているのは、法律による影響とそれに対して何をすべきかについて迅速で要点を押さえた指針です。必要なのはアドバイスと解決策なのです。これは10年以上前に言われたことですが、今でも私の日々のアプローチや関わり方に影響を与えています。
TR :未来のゼネラルカウンセルに対してどのようなアドバイスがありますか?
ナイト氏:私は短い間に面白い仕事をしてきましたが、その多くは、電話を断ることなく、また様々な方との関わりを絶たずに続けてきたことによるところが大きいと思います。ゼネラルカウンセルの職を探している人への私のアドバイスは、計画を後回しにせず、リスクを取り、何事も見聞きしておくことです。あなたの次の役割は意外なところから来るかもしれません。
「Practical Law」は、業務をより迅速に、より自信を持って行うための先進的なオンライン法務ソリューションです。詳細については、こちらをご覧ください。