パンデミックがもたらした変化~ ポストコロナの法務像 社内弁護士Q&A

Anheuser-Busch InBev社

訴訟&リスク管理グローバル・ディレクター 

マーク・シェリー氏インタビュー

トムソン・ロイター(以下TR):企業の訴訟担当弁護士の責任範囲は、どの程度一般的であり、またどの程度特殊なものですか?

シェリー氏:他の消費者製品の企業と同じく、一般的に企業間紛争や知的所有権の紛争、また消費者や雇用に関する請求を扱っています。

TR:御社の訴訟担当弁護士が現在非常に多忙な理由はどのようなことでしょうか?

シェリー氏:新型コロナウィルスの大流行は、この一年、私たちの仕事のすべての分野に影響を与えました。契約を管理しているチームと緊密に連携し、従業員の公衆衛生要件や製品に対する制限の影響について熟考する必要がありました。また、数週間のうちに30カ国以上で手指消毒剤を手に入れることから、多くの市場でのワクチンの利用をサポートすることに至るまで、会社の同僚とより緊密に協力し、コロナ関連の様々な問題に対応しました。

TR:パンデミックによってどのように業務が変化しましたか。また、その変化は今後も定着すると思いますか?

シェリー氏:パンデミックから得られた重要な教訓は、機能やゾーンを越えてどのように働くかということでした。私たちは、主要な戦略的課題を解決するために、より多くの実務的なコミュニティを発展させてきました。例えば、私は訴訟に加えて会社の知的財産の案件を担当しており、特に知的財産の専門家による強固なコミュニティを誇りに思っています。これにより、私たちはマーケティングやR&Dチームと緊密に連携し、グローバルブランドとローカルブランドの成長と革新をサポートすることができました。

TR:社外弁護士に相談するのは、どのようなときですか?

シェリー氏:紛争が悪化したときには社外の弁護士にサポートを求め、法廷で私たちの代理を務めてもらいます。また、環境、社会、コーポレート・ガバナンスの問題から非代替性トークンに至るまで、新たな問題や傾向について外部の専門家の意見を求めることもあります。

TR:法律事務所に対して求めることは何ですか?

シェリー氏:法律事務所に求めるのは次の3つです。

明確かつ実践的な提案

 当社の前CEOのカルロス・ブリト氏は、法務チームに「一つの手しかない弁護士でいるように」とアドバイスしました。これはつまり、弁護士は「一方ではこうだけれど、他方では・・・」などの曖昧ではっきりしない言葉を使うべきではないということです。当社のビジネスパートナーは、次に何をすべきかをはっきりと知る必要のある人たちですから。法律の専門知識を実践的なアドバイスに転換できる事務所は高く評価されるでしょう。

会社の問題を共有する

 当社にはオーナーシップの文化があり、外部のチームメンバーにもこれを共有してもらうことを求めています。法律に関連する支出の管理が最大の課題の1つであるということを理解してもらうことが大切です。訴訟に勝てる優良な法律事務所はたくさんありますが、コスト面を親身に考慮できる事務所とは継続的に仕事をしたいと思っています。

Anheuser-Busch InBev社 訴訟&リスク管理グローバル・ディレクター マーク・ シェリー氏

適切なサポートを得て、長期的なパートナーシップを模索する

考えや懸念点を無償で投げかけてくれる弁護士を高く評価しています。また、それが最良のサポートであることがわかっている場合は、事務所内の別の弁護士を紹介したり、別の事務所を紹介したりしてくれる弁護士には非常に感謝しています。

TR:今までで一番のキャリアアドバイスは何ですか?

シェリー氏:当社の法務・総務担当の最高責任者は、多くの場合法的な問題には前例がないことを常に強調します。優れた弁護士およびビジネスパートナーになるためには、法律の狭い範囲を超えて考え、クライアントのニーズを総合的に把握する必要があります。

TR:今後社内訴訟弁護士を目指す人に、どのようなアドバイスをしますか?

シェリー氏:なぜ社内で働きたいのかをよく考えてください。その理由が、法律事務所からただ逃げるためであってはならないと思います。社内弁護士になることが必ずしも容易な道であるわけではありません。その業界に関心があり、クライアントのビジネスの現実に近づきたいと思っているなら、社内は最高の場所になるでしょう。


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