企業内法務部のテクノロジー導入に向けた具体的な事案構築法

企業内リーガルテクノロジーの導入に向けた具体的な事案の構築方法

この10年以上、企業内法務部門では「少ない労力でより多くの成果を上げる」ということがキーワードになっています。私たちは、絶え間なく続く法改正の中で、そして世界的なパンデミックの中で、より賢く働き、優れた成果を上げ、プロジェクト管理を行い、優先順位をつけるというプレッシャーにさらされているのです。

企業内法務部門がテクノロジーを導入する場合、その動機は同じです。チームと組織に適したテクノロジーを選択し、少ないコストでより多くの仕事をこなすために最もインパクトのあるテクノロジーを選択したいのです。


企業の法務部門にとって、これは法務業務の優先順位をつけ、大きな効果をもたらす戦略的な業務を優先させることを意味します。また、繰り返しの多い業務を自動化し、承認プロセスを合理化すること、言い換えれば、企業内法務部門がプロセスのゴム印のように見られるのを避ける部分もあります。これらのシナリオのいずれにおいても、また関連するすべての人達にとっても、企業内弁護士として私たちが望むことは、有意義な仕事をし、スキルを使って、サポートする組織に影響を与えることです。
企業内法務部門にテクノロジーを導入する場合、その動機は同じです。チームと組織に適した最も効果のある選択をしたいのです。

“法務部門の最優先課題は、社外弁護士の費用抑制と、テクノロジーによる作業工程の簡素化、手作業を自動化すること”

– トムソン・ロイター リーガルソリューションズ担当シニアプロポジションマネージャー、サマンサ・ヒルトン氏。

「当社の企業内法務部門のお客様は、法務サービスの提供において社内の効率化を図るため、法務オペレーション専門のスタッフを採用するケースが最近増えています」

さらに、サマンサは、「企業内法務部門は、十分な時間がないと感じていることが多い」と述べています。彼らは、大量かつ単純な業務に追われ、戦略を練り、ビジネスへの貢献度を高める余裕はほとんどないのです。

Practical Lawのような専門的な法務ツールを採用することで、効率化を促進する手段を備え、将来を見据えた活動に即座に取り組むことができます」とサマンサは締めくくっています。

企業内法務部門が利用できるシステムは、電子請求書、案件・文書・契約管理、調査・知識プラットフォーム、電子署名、知的財産管理、電子訴訟ホールドシステム、人工知能技術など、数多く存在します。

初心者が陥りやすいのは、テクノロジーのためにテクノロジーを選択することです。最初に考えるべきは、常に「どのような問題を解決しようとしているのか」です。

どこから始めるか?

企業内法務部門が優先順位付けする過程で、おそらくミッション・ステートメントを採用することになるでしょう。このステートメントは、目的、そして法務部門が全体的なビジネス戦略をどのようにサポートするかを明確にする為に役立ちます。そして、法務部門の目的を達成するのに必要な問題点(またはギャップ)を明確にし、ビジネスの目的も達成できるのです。

法務部門は、最終的にどのようにビジネス戦略をサポートし、組織の収益に付加価値を与えるかを実証する為に、追加リソース導入のための事例を作成する必要があります。 エンドユーザー(企業の法務部門、内部顧客、またはその両方)の視点から評価することで、ソリューションが問題(課題、ギャップ、またはその両方)を解決し、うまく採用される可能性が高くなります。 法務部門が新しいテクノロジーの購入を提案する場合は、まず組織のIT部門と緊密に相談し、既存の社内テクノロジーを修正またはアップグレードして、問題点やギャップを解決できるかどうかを判断します。それができない場合、その旨を事例に記載する必要があります。

テクノロジー選定で考慮すべき他の工程

悩みや ギャップを直接解決してくれるソリューションにはどんなものがあるのか、尋ねてみましょう。

また、ウェブサイトやパンフレットを見るだけでなく、社内の関係者で、そのソリューションを使用している人からフィードバックをもらう事や、製品を実際に試すことも重要です。

サプライヤーに、同様のテクノロジーをうまく使っている企業を尋ね、体験談を聞いたり、実際に使われているところを見たりするようにしましょう。 導入期間や、継続的なトレーニングの有無についても確認しましょう。

ビジネスケースの立案

データは重要です。毎月、あるいは四半期ごとに、法務部門がどのように時間を費やしているかを評価しましょう。どのような業務が行われているか、そして、それが法務部門のミッション・ステートメントや組織の戦略とどのように関連しているかに着目してください。

チームがどれだけ忙しいか、何時間やっているかという当たり前の点を強調するのではなく、法務部門の各メンバーが、適切なリソースがあれば何をすることができるか、今まで行ってきた具体的な業務を示してみてください。

このデータを、外部の情報源、調査、報告書などで裏付けます。例えば、トムソン・ロイター・インスティテュートの最新レポート「Legal Department Operations (LDO) Index 2021 (Sixth Edition: 第 6 版)」があります。本書は、1500以上のグローバル企業の法務部門から得た結果と法務業務の傾向を分析し、「支出、テクノロジー、部門管理が、多くの企業の法務部門にとって最重要課題である」ことを明らかにしました。
もし、法務部門が、時間を節約できる法務知識・調査に関するソリューションを導入しようと考えているなら、「企業内弁護士の半数以上が、法務調査を行うために1日最大3時間を費やしている」という様な統計が、関連するデータを示してくれるでしょう。

ビジネス上での真の恩恵と改善の余地がある事例を提示することで、提案はより魅力的なものとなり、受け入れられる可能性も高くなります。例えば、組織の優先事項にコスト削減が含まれている場合、弁護士のコストを増加させる効果のあるソリューションよりも、コストを削減するソリューションを提案する方が、承認される可能性がはるかに高くなります。また、新しいテクノロジーが、企業内法務部門において、ビジネスの新たな、そして予期せぬ影響に柔軟に対応するために、どのように役立つかを強調することも価値があります。

ほとんどのビジネスケースでは、そのテクノロジーの「元が取れる」までの期間と、予測される組織のコスト削減を示す費用対効果分析が必要となります。法務部門によっては、新しいテクノロジーを購入する際の事案を作成するために、投資収益率(ROI)モデルを使用しているところもあります。また、法務部門の年間予算の一部として要望を出していくことも検討しましょう。

事業計画書に記載する必要があります

  1. 現在の状況
  2. あなたのチームの業務が注力している場所
  3. 組織の課題、リスク、機会に関する分析
  4. 新規リソースが貢献する利益と価値
  5. コスト:直接的、間接的、偶発的なもの
  6. 代替案との比較
  7. 提案が、どのように組織の目標や目的を支え、価値を高め、リスクをコントロールするか

成功したら…

おめでとうございます。提案の承認は、ほんの始まりに過ぎないことを念頭においてください。資金調達に成功したら、次は導入の段階です。あなたは、法務部門と内部顧客を、新しいテクノロジーを使用する旅に同行させ、有益なものにしたいと考えるでしょう。チームにはツールを使ってもらい、使用状況やユーザーからのフィードバックを表にします。また、導入段階をサポートしてくれる担当者を決めておくといいでしょう。

法務部門のメンバーは、最新テクノロジーの導入が管理変更の一部です、適切な変更手法とコミュニケーション戦略を用いて、法務部門を導いてください。積極的にテクノロジーを採用することが重要です(単に実務をそれに合わせるだけでなく)。

そして、もし失敗したら…。

すべてが失われたわけではありません。強力な事案は, ビジネスの意思決定者に期待を抱かせることになるのです。データポイントの追跡を続け、さらに四半期後の再提案会議を要請してください。最終的には、新しいテクノロジー導入のコストを上回る恩恵があることを証明できれば、成功でしょう。

トムソン・ロイターお手伝いできること

トムソン・ロイターは、2021年LDOインデックスレポートで企業の法務部門が挙げた優先事項のすべてについて、「Practical Law」などの高品質な法務コンテンツソリューションを提供し、お客様を支援します。HighQなどの当社の法務ソフトウェア・ソリューションは、まさに法務部門が求めているツールであり、指標や データを活用して効率化を実現し、関係者と連携することを支援します。

効率向上のためのテクノロジー利用、テクノロジー投資のためのビジネスケースの作成、法務部門における変革の実現などの詳細につきましては、当社コンサルタントにお気軽にお問い合わせください。

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