英国およびEUにおける進捗状況
企業の事業活動およびサプライチェーンが環境、社会、ガバナンス(ESG)関連事項、特に人権や環境に対して与える悪影響に対して取り組みを行うよう、法律や規制上の責務が高まっています。
そのような背景において、国際的な原則や基準(国連のビジネスと人権に関する指導原則や経済協力開発機構(OECD)の多国籍企業行動指針)などに従い、多数の企業が自発的にESG問題に関連するサプライチェーン・デューデリジェンスを適切に実施しています。
本稿では、ESG関連のサプライチェーン・デューデリジェンスの義務化に関する英国およびEUの法制上の動向に焦点を当て、EUの企業持続可能性デューデリジェンス指令案など、ESGサプライチェーン・デューデリジェンス分野に変化もたらすEUと英国の先進的な法制度について解説いたします。
EU企業持続可能性デューデリジェンス(CSDD)指令案
対岸の火事ではないビジネスと人権対策
欧州委員会が2022年2月23日に発表したのが、「企業持続可能性デューディリジェンス指令案( CSDD指令案)」です。EU内外の企業のうち、適用要件を満たす企業に対し、企業活動によって起こりうる人権や環境への負の影響を予防・是正する義務を課すというこの指令案は、遵守すべき内容として 「ビジネスと人権に関する指導原則」等を下敷きにしていることから、「任意の国際基準に法的拘束力を持たせるようなものだ」との意見があります。そして、日本企業もいずれ大きな影響を受けることになるだろう、と懸念され始めています。
そこで、慶應義塾大学名誉教授であり、中央大学総合政策学部教授でもある庄司克宏先生に依頼し、 CSDD指令案の解説と日本企業が今から始めるべき対応のほか、グローバルビジネスを行う上で理解が欠かせないEU規制の 「ブリュッセル効果」についても解説いただきました。
当レポートも併せてご覧になり、今後のコンプライアンス実践とガバナンスの向上にご活用ください。
トムソン・ロイター・スペシャル・サービス(Thomson Reuters Special Service)
取引先を知り、サプライチェーンコンプライアンスを確保
ある個人の過去または現在の商取引の履歴を知らないまま、その個人との間で契約や取引関係を結んでしまうと、組織に重大なリスクがもたらされる可能性があります デューデリジェンスを強化するには、より深い情報で適切なコネクションを浮上させることが必要です。グローバルデータ、コンテンツに関する専門知識、テクノロジーを独自に融合させ、つながりやネットワークを明らかにするだけでなく、パターンや行動を意味付けるデューデリジェンスレポートをお届けします。
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