税務・会計業界にデジタルトランスフォーメーションが欠かせない理由

 

デジタル化は、税務・会計を含む、あらゆる業界の変革を大きく推進する力となります。この大きな潮流のなかで、会計部門はどのようにデジタルトランスフォーメーションに備えるべきなのでしょうか。 

デジタルトランスフォーメーションについては、現在、あらゆる場において議論されており、その投資額に関する統計や、GDPに与える影響の予測調査もあります。改めて、デジタルトランスフォーメーションの定義づけから始めましょう。 

デジタル化とは、アナログなシステムから脱却することを指します。税務・会計の分野では、数十年前からデジタル化が進んでいます。文書管理ソフトウェア、エンゲージメント・ソリューション、オンライン税務管理システムへの移行は、ほんの一例に過ぎません。 

セールスフォース社によると、デジタルトランスフォーメーションとは、「変化するビジネスや市場のニーズに対応するために、デジタル技術を使って新しい(あるいは既存の)ビジネスプロセス、文化、顧客体験を創造するプロセス」を指します。 

デジタルトランスフォーメーションへの道のり

税務・会計の専門職では、実務のデジタル化が進む一方で、コロナ禍において、顧客が紙の小切手で支払いをしたり、社員が紙の書類やファイルを持ち帰るなどの例に見られるように、依然として古いアナログシステムに依存している分野があることが露顕しました。多くの社内業務がデジタル化されても、顧客や社内外の関係者とのやり取りは、依然として物理的な書類や対面での作業で進められていたのです。このような物理的な依存が、リモートワークへの移行を困難なものにする一因となっていました。 

当然のことながら、コロナ禍によりデジタルトランスフォーメーションは加速度的に進行しました。人々はコラボレーション、ビジネスや他者との交流のために、新たにバーチャルな方法を模索しなければなりませんでした。そして今、世の中がバーチャルな関係を好むようになり、人材がリモートワークを維持することを望むようになったため、企業はデジタルトランスフォーメーション戦略に焦点を当てる必要が出てきました。では実際に、どのようにその戦略を進めたらよいのでしょうか。 

最新テクノロジーと職場環境の向上

まず、利用可能なテクノロジーに目を向けてください。クラウド・テクノロジーは、業務プロセスのデジタル化の基盤となるツールです。クラウド上で業務を行うことで、顧客と会計士などの専門家は、同じデータを使ってバーチャルかつリアルタイムにやり取りすることができるというメリットがあります。また、このプロセスによって、人々は都合の良い場所や時間に働くことができ、この柔軟性によって、働き方のパラダイム全体の変革を促します。 

人工知能、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、IoT(Internet of Things)、モバイルデバイスなど、税務・会計部門に必要な機能はすべて最新のテクノロジーによって増強されています。

以前より、税務・会計専門職では人材確保の課題がありましたが、コロナ禍の離職者増加で、人材不足はさらに深刻になりました。このような状況下でも、新たなテクノロジーを導入することで、社員の負担を軽減し、個々の能力を最大限に発揮させることができます。そして、社員のワークライフバランスが向上し、仕事への満足度が高まるとともに、顧客に対してより高い価値とインパクトを提供できるため、プロフェッショナルとしての充実感を得ることができるのです。

重点分野の特定 

会計事務所がデジタル化すべき業務プロセスに対するテクノロジーの選択肢を考えると、その数の多さに圧倒されるかもしれません。しかし、その可能性に圧倒されることなく、まずはSWOT分析(自社の強み、弱み、機会、脅威の評価)を実施し、自社の業績や業態の現状を把握することが重要です。このSWOT分析には、複数の部門の社員が関わることで、事業の様々な側面が考慮されるようになります。 

分析 が完成したら、何らかの影響を受けやすかったり、機会を生かしにくくするような弱点は何かを割り出します。組織は、その強みを十分に活用しているでしょうか。そうでない場合は、何を変える必要があるのでしょうか。重要なのは、SWOTで収集したデータから、実際にどのような対策をなすべきかを検討し、アクションプランに落とし込むことです。 

アクションを特定したら、次は優先順位をつけます。最も重要な機会やリスクは何でしょうか。ここでも、多くの税務・会計の専門職にとって、人材に関することは優先順位が高いでしょう。 

優秀な人材にとって、魅力的かつ働きやすい職場するために、デジタルトランスフォーメーションを促進する必要があるのでしょう。報酬だけが人材を引きつけるわけではありません。調査によると、社員はリモートワークや柔軟な勤務体系が整えられていない場合、離職する傾向があることが分かっています。求職者や現役社員対して、このような職場環境の利便性を効果的に実現するためには、デジタルトランスフォーメーションが欠かせないのです。 

優先順位の特定

デジタルトランスフォーメーションの過程におけるプロセスに優先順位をつける際には、変革の範囲に留意してください。複数のプロセスやアイデアの間には相互依存関係があるため、混乱を招くようなことは避けてください。次のような問いを自問することで、スタート地点がどこになるかを特定します。 

  • 最もインパクトがあるのは何か? 
  • 最も大きな課題を感じているのはどこか? 
  • 次のプロジェクトで取り組めることは何か? 

プロジェクトマネージャーの推進力

実際には、日常的に多忙な仕事を抱える税務・会計専門職は、このような分析や洗い出しの作業をする時間がないと感じることでしょう。このような理由から、税務・会計事務所や部門などは、プロジェクト・マネージャーを採用するのです。会計事務所・部門のトップが方向性を定め、プロジェクト・マネージャーがデータを収集し、チームをまとめ、コミュニケーションをとり、リスクを監視し、プロジェクトが範囲内に収まっていることを確認するのです。このような非従来型の採用は、経験豊富な税務・会計専門職の負担を軽減すると同時に、効率性を高め、将来に備えた組織作りを可能にします。 

ビジネスの成長がそうであるように、デジタルトランスフォーメーションは、目的地ではなく、そこに向かう過程なのです。コンピュータやモバイルデバイスが一般的になったように、デジタルプロセスの中で仕事をし、生活することも一般的になっていきます。テクノロジーの発展とともに、私たちのプロセスやニーズも変化し続け、あるものは進化し、あるものは完全に変化していくでしょう。 

税理士・会計事務所や部門を率いるリーダーは、他の業界を含め、世界、そして自分たちの周りで何が変化しているかを常に意識し、事務所・部門の競争力と生存力を維持するために必要なことを優先して選択し、対応する必要があります。 


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