社外弁護士との関係を再構築~テクノロジーの活用~

より戦略的な役割を担い、法務部門の価値を高める

2021年は多くの社内弁護士にとって、自身の役割を見直す機会となりました。自社事業に戦略的なアドバイスを与えるために、手間のかかる不要な業務を削減し、社外弁護士との関係性を見直すなど、さまざまな取り組みが見られた1年でした。

社内弁護士が戦略の要に

企業のゼネラルカウンセル(GC)が、利益の大きいプロジェクトを外部の弁護士に任せることはめったにありません。自社事業に最善の対応ができるのは、自社の法務部門だと考えているため、戦略的な業務の外注は必ずしも最良の選択肢ではありません。その結果として、法務部門の各種取引や訴訟案件の対応を含め、「通常業務」である社内の法務関連業務に遅れが生じます。また、このことが法律事務所に対する需要の低下の一因となっています。

ある企業のゼネラルカウンセルは、次のように述べています。「以前は、新しい問題や疑問が生じるたびに、社外の弁護士に相談し、指導を仰いでいました。しかし外注することで、法律事務所への支払いが膨れ上がるばかりか、法務部門の能力について、チームや事業部門に対してマイナスの印象を与えてしまう結果となりました。私たちは、社外の弁護士と同等の法務研修を受けており、経験の面でも劣ることはありません。実際、彼らと同じ法律事務所出身のメンバーも多いのです。さらに自社の事業に関して言えば、彼らより高度な知識を有しています」

一方、社内で処理する業務量が増えたからといって、それに見合う人員が保証されるわけではありません。この問題を解決するため、GCの多くが、チームの業務改革を支援するテクノロジーソリューションに注目しています。

法律業務を社内で処理するためのツールの活用

企業の法務部門のリーダーが新しい案件を評価し、その進め方について事業部門に助言するには時間とツールが必要です。このプロセスが完了して初めて、社外の弁護士に業務を委託することができます。あるリーダーは、「社外の弁護士には、十分な情報をもとに指示する必要があります。助言ばかり求めているわけではないのです」と言います。企業のGCは、必要な情報と知見を十分に得ることで、社外の弁護士をより適切に指揮し、コストを管理できるようになるのです。

もちろん、大手の法律事務所であれば、法律分野のさまざまな専門知識を利用できるだけでなく、難しい問題でも大勢のアソシエイトを駆使することで解決できます。しかし、テクノロジーやツールを活用すれば、社内弁護士も大手法律事務所と同等の専門知識を得られるほか、問題や傾向を瞬時に把握し、適切な決定ができるようになります。

例えば、トムソン・ロイターが提供する法務ノウハウツール、Practical Lawに新しく登場したプレミアムアドオン機能「ダイナミック・ツールセット(DTS)」は、弁護士が案件のアプローチ方針を決めたり、契約中の項目に関する交渉の難易度を判断する際に役立つ、市場慣行に関する実用的なデータを提供します。本ツールがあれば社外弁護士への外注を決定する前に多くの情報が得られるため、社内弁護士にとっては特に有益なツールといえるでしょう。

Practical Law ダイナミック・ツールセットは、社内弁護士がビジネス上の問題に対してより戦略的にアプローチし、社外弁護士に委託すべき案件と、社内で対応すべき案件とを判断するのに役立ちます。また、社内弁護士が外注する案件について明確な指針を示し、案件の進捗に関与し続けられるようサポートします。

馴染みのないテーマについて調べる

ナレッジマップは、Practical Lawの機能に含まれる、トピックやリソースを視覚的に検索するためのツールです。案件の全体像を把握できるため、ユーザーはこれまで見逃していた問題を特定することができます。また、AIを活用したダイナミック・サーチ機能では、自然言語クエリを使用してノウハウコンテンツを検索することもできます。この機能により、社内弁護士は複雑な問題に対しても有効策を提示しやすくなります。

州や国をまたがる法律の調査

クイック比較ではカスタムチャートの作成により、複数の州にまたがる主要な課題へのインサイトを獲得することができます。ユーザーは各州の規制状況を瞬時に確認し、最重要データポイントを比較することができます。 

市場動向の把握と分析

What’s Market Analyticsを使用することで、社内弁護士はデータに基づく洞察に加え、それらデータの可視化により、市場動向や取引条件の分析・共有を瞬時に行うことができます。ユーザーがビジネスパートナーに対し、迅速かつ効果的に選択肢を伝えることができるため、特に重要な機能と言えます。

法務案件の企画・管理・実行

マターマップは、各案件の主要なフェーズおよびタスクの概要を、主要リソースへのリンクとともに提供します。ユーザーは、各自のニーズに合わせて、インタラクティブなマップをカスタマイズすることができます。主な案件タイプに共通する信頼性の高いアプローチを把握できるため、社内弁護士は自分の得意分野以外の仕事にも挑戦できるようになります。また、社外弁護士に委託した業務の管理も可能となるため、明確な見通しを立てることができるようになります。

法務部門の未来

企業が、外部の法律事務所が金額に見合ったサービスを提供しているかを確認する新たな手法を見つけ、現状を覆しつつある中、社内弁護士と法律事務所の関係は10年以上変化し続けています。日々進化するツール開発とデータの民主化により、少数精鋭の社内の法務部門は、自社のビジネスに対してより深い法務的知見を提供できるようになりました。彼らは、社外の弁護士に過度に依存することなく、事業に関する知識と法的問題の基礎知識を備え、法務業務をリードします。


Practical Lawは業務をより迅速に、より自信を持って行えるようにするための先進的なオンライン法務ソリューションです。実務に関する解説、法務に関する最新情報や標準的な法律文書にアクセスできます。

Dynamic Tool Setとは

Practical Law Dynamic Tool Setでは、Practical Lawの専門知識をさらに効率的に引き出すことが可能です。チャートとビジュアル化で、より深い洞察とデータおよび情報の活用をサポートします。


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