アドバイザーとして信頼を得るための6つの重要戦略

企業にとって信頼できるアドバイザーとして、ゼネラルカウンセル(GC)は、優秀な弁護士であると同時に、ビジネスの専門家である必要があります。優れた弁護士としてGCは、会社に対して専門的な法的ガイダンスを迅速に行うために、Practical Lawのようなテクノロジーを利用して、最新の法律情報にアクセスする必要があります。また信頼される社内弁護士となるためには、社内の各部署のリーダーとビジョンを共有し、戦略的パートナーシップを築くことも求められます。企業全体に利益をもたらすのであれば、より広いリスク許容度も考慮しながら各種機関と連携すべきでしょう。

ここでは、法務部門が企業に高い価値をもたらしていることを証明するため、GCが活用している6つの重要戦略を紹介します。

業界の動向をより深く理解する

経営者は、業界における最新の変化やトレンドに対応して最も効果的にビジネスを展開できるよう、今後何が起こるかを知る必要があります。そして、ビジネスの実状を知り尽くした研究者や記者による最新の分析を頼りにしています。

もしあなたもGCとして、自社のニッチな市場や分野の最新情報に目を通していたとしたら、ビジネス上の決定に影響を与えるような変化にも気づくことができるでしょう。また、そのような意思決定に対して、専門家として法的なガイダンスを提供する準備も可能です。業界の動向が会社の戦略的方向性や運営にどのように影響するかを理解することで、まだ明らかになっていない潜在的なリスクを予測し、新たに発生するリスクとすでに存在するリスクとのバランスを取る方法を見出すことができます。

ビジネスを取り巻く環境を把握する

経営者は、自社のビジネスの全体像から細部に至るまで、あらゆる角度から事業を熟知しています。中小企業にサービスを提供する弁護士は、できる限り経営者と同じレベルで、ビジネスを理解しておく必要があります。会社の内側と外側から、その会社についてできる限りのことを学びましょう。メディアでどのように報道されているか、広報担当者がプレスリリースやその他のアウトリーチを通じてビジネスの優先順位や意思決定をどのように表現しているか、また、公開文書や業界誌の論評を通じてどのような情報が提供されているかを確認してください。自社をより深く知ることは、会社のリスクに対する許容範囲と、リスクを最も積極的に軽減しなければならない領域を理解するのに役立ちます。

自分の目標と会社の目標を一致させる

あなたが働く会社にはロードマップがあり、そのロードマップ上の優先順位は経営者の意思決定の基礎となります。短期的な優先順位と長期的な意向の間でバランスをとることは、ビジネスリーダーである経営者が直面する主な課題です。

経営者がどのような課題に対してどのようにバランスをとっているのかを知るには、会社の短期的・長期的な目標について、経営陣や幹部から説明を受けるとよいでしょう。どのように目標を達成しようとしているのか、どのような進捗があったか、そして歩みを止めている問題とは何かを理解しましょう。経営者の視点からロードマップを見ることで、弁護士としての仕事がこうした目標の達成に役立てる時期を特定することができ、またリスクマネジメントのアプローチを調整するべき時期も理解できるでしょう。

ビジネス上の目標を理解したら、法務部門の目標をビジネスと一致させます。そして、もう一歩踏み込み、その整合性を法務部門の予算にも反映させましょう。

財務を熟知する

経営者が事業の健全性と成長のために最善の決断を下すには、会社の財務状況とニーズを熟知していることが重要です。経営陣の意思決定がなされた前後関係を見極めるため、社内弁護士はこのような運営面も理解する必要があります。自社の損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書を基本的に理解するだけでなく、財務チームに説明やトレーニングを依頼し、より深い見識を得るようにしましょう。財務部門との継続的な対話を持つことで、会社の財務上の意思決定とリスク管理がどのように補完し合っているかという、内部見解を得ることができます。

ビジネスリーダーとの関係を構築する

経営者は、手元にある情報をもとに優先順位を決め、意思決定をしなければなりません。彼らが必要な情報が得られるかどうかは、特定の専門家や部署と前向きな協力関係を結んでいるかどうかにかかっているかもしれません。

ビジネスリーダーである経営者の信頼できるアドバイザーとして、彼らと手を携え、判断を評価し、優先順位を決定し、事業を成功させましょう。経営幹部や部門長たちとの間に良好で生産的な関係を構築することは、意思決定の際にあなたの助言が信頼されるためには重要なことです。各部門のリーダーまたはリーダーチームと四半期ごとまたは毎月の定例ミーティングを設定し、彼らの悩みや不安を理解して、その問題に対処するために協力しましょう。

経営陣の中で存在感を高める

経営幹部や部門のリーダーは、多くの時間をかけて会社のニーズについて話し合い、情報や見解を共有し、会社全体に利益をもたらすことができる気心の知れた職場関係を築いています。事業の進展に影響を与えるようなイベントや会議に出席することは、あなたにとっても、そして会社にとても有益なことです。リーダーシップ開発体験、スタッフ・ミーティング、部門別プレゼンテーション、業界カンファレンス、その他の重要なイベントに参加できるように依頼しましょう。また、会社のリスク・プロファイルをリーダーに理解してもらうための情報交換会など、独自のイベントを企画・主催することもできます。

経営者の視点をもつ

中小企業の弁護士であっても、経営者の立場で考えることで、会社の経営陣の考え方や課題について、貴重な情報を得ることができます。さらに重要なことは、ビジネスリーダーである経営者の壮大なビジョンに対しても、情報に通じた法律の専門家としての現実的な意見を補足できるということです。こうすることで、経営陣に対する自分の評判を上げるだけでなく、経営陣が求めるビジネスの価値を拡大することができるのです。


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