トムソン・ロイターのCEOの洞察:他社より先を行く

海外のテクノロジーの導入からバーチャル会議の開催まで、新型コロナウイルスは多くの組織に重大な課題を与えてきました。しかし最善の方法でお客様にいつサービスを提供できるようになるのか、明確な兆しはまだありません。しかし、どのようにしてこの状況を乗り越えることができるのでしょうか。

トムソン・ロイターのマネージング・ディレクターであるジャッキー・ローデスはトムソン・ロイターの社長兼CEOのスティーブ・ハスカーとバーチャルインタビューを行い、グローバルな視点から回答しました。

スティーブがコロナ禍の3月にCEOに着任した際、彼は2つの主要任務を背負っていました。グローバル組織をリモートで管理しながら、世界中のトムソン・ロイター社員の健康と安全を確保することが求められたのです。

8月25日に開催されたトムソン・ロイターのバーチャルコンファレンス、Return to Better – Powered by Synergyでスティーブは、コロナ禍におけるビジネス生産性の維持をどのようにしてテクノロジーが実現できるのかについて語りました。またさらに、トムソン・ロイターが職場として最適な場所となるように努めることが、スティーブのビジョンの一つであると話しました。

トムソン・ロイターCEOスティーブ・ハスカーのインタビュー

スティーブ、3月15日にトムソン・ロイターのCEOに就任されましたが、これはちょうど新型コロナウイルスのパンデミック宣言がなされる3日前でした。就任から5か月で、予想される課題と予想外の課題の両方に取り組んできたと思いますが、まずはこれまでの感想を聞かせてください。

トムソン・ロイターは人々によって動かされているビジネスということを優先させました。知的資本集約型のビジネスであり、本当に重要なのは、世界中の従業員の健康と福祉だけです。その意味では在宅勤務は簡単な決断でした。私はトムソン・ロイターがクライアントに行ってきたサービスとサポートを誇りに思っています。人々の健康を尊重し続け、新型コロナウイルスが流行が続く限りこの視点は変わりません。

クライアントやパートナーが新しい日常を革新し、見つけようと多くの時間を費やしてきました。コロナ禍で感じたことを共有していただけますか?

個人的なレベルと専門的なレベルの両方から、クライアントがこのコロナ禍をどのように感じているのか、そしてどのように考えているのかを聞くことは非常に興味深いです。法律事務所、税務会計、政府機関であろうと企業であろうと適切な管理監督を行っているため、クライアントは概してかなり順調に経営を継続しているといえるでしょう。直面している問題や課題について話をしてみると、クライアントは適切な方法で管理しながら、慎重ではありますが、楽観視していると思います。より大まかに言えば、テクノロジーの投資が十分に準備されており、バーチャルで十分稼働できるように整備されています。このような企業は、このパンデミックと経済的影響を乗り切るだけでなく、成功する一方で、準備が不十分な企業は本当に苦労することでしょう。

新しい労働慣行を作り出す上で、テクノロジーはどのような役割を果たすと考えていますか。

今後数年の間に見られるのは、消費者行動の永続的な変化はもちろんですが、同様に重要なのは、専門家の行動変化です。テクノロジーはその中で大きな役割を果たします。コロナによる健康危機が収まれば、オフィスに戻る人も増えるでしょう。しかしコロナ後のオフィスの業務スタイルは明らかに今までのものと変わります。オフィスは今まで以上にテクノロジーを導入し、よりダイナミックなものになるでしょう。自宅で仕事をすることで、多くのタスクをこなし、静かに仕事をしたい、またはオフィスにいてクライアントや同僚と時間を過ごしたい、その両方を実現させることが可能になります。テクノロジー、それがビデオ会議であろうと、ドキュメントや様々なプロセスをシームレスに行う機能であろうと、他のコミュニケーションツール、電子メール、チャットに至るまで、私が考えるすべてのものは、より使い易く、よりスマートに、よりユビキタスになるでしょう。

コロナ禍により、一部の業界では今まで何年もかかっていたことが数カ月で完了するなど、変化のプロセスが加速しています。トムソン・ロイターは業務のグローバル化に取り組むクライアントを支援する上で、どのような役割を果たしているのでしょうか?

トムソン・ロイターは法律専門家、税務および会計の専門家、リスクコンプライアンス、政府機関にリサーチと専門性の高い情報を提供してきました。またこのようなクライアントグループに対してプライドを持ってサービス提供してきた数十年の歴史があります。今後、私たちはこれら専門家の未来を切り開いていくことになりますし、それは正に私たち、トムソン・ロイターの目指すべきところです。専門家の可能性を創造する最前線に立ち続けていきます。

それは、真のデジタル、バーチャルなソリューションを持つことを意味します。24時間365日利用可能、かつシームレスなシステムが提供され、グローバルな専門性の高い情報によって補完されていなければなりません。クライアント間、クライアント内に存在するチームのコラボレーションを可能にするツールです。

専門的なサービスを提供する会社を考えてみると、その会社には、長い時間をかけて築き上げてきた仕事のやり方があるでしょう。より多くの人が在宅で仕事をするようになれば、このような働き方も変わっていくでしょうし、私たちはその最前線に立つ必要があります。

最後の質問です。将来の予測していただけますか。

コロナによる健康危機が緩和され、何らかの形で正常な状態に戻るでしょう。そうなると2つのことが実現します。第一に各業界の専門家の行動に永続的な変化があるということです。つまりより多くの人々が自宅で仕事をするようになるでしょう。より多様な専門家のグループが、異なる方法で、より流動的な方法で企業と関係を持つようになると思います。そして彼らはより包括的にテクノロジーを利用するようになると思います。

第二にクライアント、競合他社、そして増え続ける新興企業の間で、勝者と敗者という観点から、本当の意味での分かれ道が発生すると思います。コロナ後に起こる変化を真に活用する者が存在し、その変化のための装備を備え、問題の一部ではなく解決策の一部であるソリューションを提供する者が存在するでしょう。

より良い新しい日常へ

企業や組織が今後の準備を進める中で、長期的な技術実現投資が行われることはは明らかです。テレワークはコロナ禍(さらにはコロナ後の世界でも)、企業が提供する必要があります。Acritasの調査によると、法律専門家の61%はコロン禍が始まって以来、リモートワークが良い実務経験と感じています。さらに79%は、業務時間の一部または全部についてリモートワークを希望していると述べています。

トムソン・ロイターは、クライアントが将来の課題に備えるためのサポートを継続していきます。変革的なテクノロジー、ベンチマークの見識、グローバルクラスの情報への継続的な投資を行います。ジャッキー氏はインタビューの最後に、これを実践することで、企業は今後の課題に備えることができると述べています。

“この時期に急速に進められているイノベーションのレベルには感銘を受けました。私たちは本当に社員によって動かされている組織なのです。

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