世界のサプライチェーントレンド:ロボットから人工知能へ

世界中のビジネス、法務、税務の専門家が「新しい日常(ニューノーマル)」に適応するにつれて、サプライチェーン管理は規制コンプライアンスに影響を受けています。

トムソン・ロイターのコンプライアンス・コスト・レポートによると企業の34%はコンプライアンスの必要性が高まり続けている現状を鑑み、コンプライアンス機能の一部(またはすべて)を外部委託する予定と回答しています。

Return to Betterバーチャルカンファレンスで、143 Advisory Service LLCの社長であるクレイ・ペリーは、サプライチェーン管理においてどのような技術転換が起こったか、またサプライチェーンの主要な傾向に関して議論するセッションを開催しました。セッションでは他に3人の業界リーダーが参加しました。

  • マイケル・ミルンズ (Michael Milnes)
    トムソン・ロイターシニアマネージャー
    実務法、競争、消費者保護、Supplied Legal主任弁護士
  • ゾーイ・マルティネス (Zoe Martinez)
    トムソン・ロイター国際貿易ソリューション プロポジションリード
  • サリー・ガオ (Sally Gao)
    トムソン・ロイター データ サイエンティスト

サプライチェーン管理の動向

国際貿易管理業界で20年以上の経験を持つクレイ・ペリーは最新の貿易コンプライアンスの動向に乗り遅れないようにすることが重要であると指摘します。

私たちが住んでいる非常にダイナミックな世界は絶えず変化しています。 サプライチェーンを安全でかつ常に回復力のある状態に保つ必要があります。

クレイ・ペリー 143 Advisory Service LLC社長

私たちが「グローバルサプライチェーンの世界」に属している以上市場に影響を与えかねないリスクに対処する準備をしていなければなりません。マイケル・ミルンズによると大きな傾向として新型コロナウイルス感染拡大が異なる産業間の需給パターンに大きな変化を引き起こしたということです。多くの企業や組織がビジネス停止やオフィス閉鎖を余儀なくされている一方、前例のない需要に追いつくために24時間体制で取り組んでいる企業もあります。

業界全体が閉鎖傾向にありましたが、製薬や食料品業界などは需要過多になっていました。航空、観光、大学、教育機関などは一晩で閉鎖に追い込まれました。

マイケル・ミルンズ (Michael Milnes)
トムソン・ロイターシニアマネージャー
実務法、競争、消費者保護、Supplied Legal主任弁護士

さらに例えば航空およびスーパーマーケットの業界の一部で以前であれば競争法違反の可能性がある、社会コミュニティのために供給を維持する目的で競合他社と協力している点も見逃せません。

「新型コロナウイルスの波が第一波と第二波とあるようにそれに呼応する波も存在していると思います」とマイケルは述べています。 サプライヤーが生き残るために私たち全員が一丸となって、どうすればそれを機能させることができるのか考える時があります。サプライヤーの機能活用は革新的な技術に適応できている企業によって実証することができます。自動化された業務はサプライチェーン事業や倉庫でのロボット工学などを実装しやすくなっているのです。

自動化システムの作業や人間を日々の業務から取り除くことに慣れるなど、新たに対応しなければならない緊急性の高い課題があります。

マイケル・ミルンズ
トムソン・ロイター シニアマネージャー
実務法、競争と消費者保護、Supplied Legal主任弁護士

また自動化システムを持つ企業はより迅速に不測の事態に対応が可能ともいえるでしょう。最後にマイケルは組織とサプライヤーがどのように協力し続けるかについて彼の予測を述べました。 「おそらく、私たちはより関係を重視する契約を利用する世界に前進するでしょう。そこでは、パートナーとしてサプライヤーを選択し、すべてのリスクを彼らに押し付けることを良しとしません。」

オートメーションソリューションスペース

ゾーイ マルチネス(Zoe Martinez)は米国と中国の間の貿易摩擦から始まって、サプライチェーンの回復力が過去12〜18か月の間に大きな課題となっていると述べました。 また企業間の目標が成長から存続へと移行するにつれて、テクノロジー活用が不可欠としました。

世界の大手企業は新型コロナウイルス感染拡大以前や貿易戦争以前の状態に戻ることを目的としていません。新しい日常(ニューノーマル)について議論しています。コンプライアンスとビジネスプロフェッショナルが規制の動向を鋭く追い続け、認識するために技術導入を真剣に検討する必要があります。そのためには下記を自問すると良いでしょう。

  • 今のリスクは何ですか?
  • これらのリスクを迅速に評価、判断するにはどうすればよいですか?
  • 新しいサプライヤーと取引することはできますか?
  • この国と貿易可能ですか(制裁はありますか)?
  • 新しいサプライヤーから製品を購入した場合、業務に与える影響は何ですか?

パートナー間のプロセス、一部の手動プロセスを統合、自動化することにより得られるものがあります。

ゾーイ・マルティネス、トムソン・ロイター 国際貿易ソリューション プロポジションリード

これは大企業とその貨物輸送業者の間で起こっていましたが、同様に経済レベルでもそれらの変化が見えてきました。最後にゾーイは組織が結果得るために自動化ソリューションに投資する必要がある一方で、サービスプロバイダー側も少しずつ努力する必要があることを示唆しました。ソリューション提供側がコンプライアンスに則って正確なコンテンツを提供しているか確認する義務がありますと彼女は結論付けました。

リスクを軽減するための機械学習

人工知能からロボット工学まで世界中の組織が革新的なテクノロジーで繁栄しています。サリー ガオはトムソン・ロイターのプロジェクトを通じて、クライアントが10桁のコードを使用して米国の輸入関税を管理するHarmonized Tariff Schedule(HTS)に従って製品を分類するのに役立つモデルを開発しました。

彼女のプロジェクトは、IntegrationPointおよびトムソン・ロイターの国際貿易ソリューションと提携して行われました。 目標はクライアントの製品説明に基づいて米国の関税スケジュールコードを分類することでした。プロジェクトはアパレル業界に焦点を合わせて行われました。目的は商品の説明に基づいてアイテムをHTSコードに分類するモデルを作成することです。人的エラーのリスクを軽減し、大規模な財務上および管理上の結果を防ぐことができます。

人間の手では正しいコードを判断するのに非常に時間がかかります。コンプライアンスリスクの観点から、間違ったコードを提出すると、税務当局から多額の罰則が科される可能性があります。

– サリー・ガオ、トムソン・ロイター データサイエンティスト

彼女はさらに、HTSモデルが機械学習を介して顧客パターンを学習し、模倣できたと説明しました。平均して上位予測では93%の確率で正確であることがわかりました。さらに上位5つの予測を行うと99%の確率で正確でした。サリーが強調したようにモデルはデータ内のパターンについて明示的に通知されることなく認識し始めたため、プロジェクトはさらに興味深いものになりました。これはデータサイエンスが提供するものを実際に使用しています。一般に多くの手作業で調整されたアルゴリズムとハードコードされたロジックを必要とする、従来の非データベースのソフトウェアアプローチとは対照的です。もちろん、このような技術をすべてのプロジェクトで使用できるわけではありません。クライアントを支援し、自動化への準備が整ったタイミングで最も価値があるといえるでしょう。

トムソン・ロイターのソリューションの特長は膨大な量のデータにアクセスできることです。ラボでできることは、さまざまなデータソースをすべてまとめて、AIの分野における最新の開発と組み合わせることです。

新しい日常に適応する

新型コロナウイルスがグローバルサプライチェーンに影響を与え続ける中で、組織が集中力を維持するのは依然として難しい状況です。自動化と人工知能は、今後も多くの企業にとってオペレーション管理の中心となるでしょう。私たちは新しい日常に向かって進んでいます。しかし変わらないものは変化です。政府は規制を変えるために法律を変更し続けるでしょう。自動化とテクノロジーと人工知能を活用し、サプライヤー管理において変化に柔軟に対応できるようにしておく必要があります。 

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